2019年1月号
「海のフォアグラ」ってな~んだ?

「フォアグラ」といえば、「トリュフ・キャビア」と並んで世界三大珍味の一つで、「ガチョウの肝臓」です。
肝臓は「肝(きも)」ともいい、「海のフォアグラ」は、「海の肝」となります。
ここまでくれば、皆さんもおわかりいただいたと思いますが、この正体は「鮟鱇(あんこう)」です!
『あんこうの価値は「肝」で決まる』と言われるほど、肝臓の「あん肝」は、産卵を控えた冬のあんこうには、肝(きも)にたっぷりの脂肪が蓄えられています。
この脂肪は、青魚などと同様、DHAやEPAといった不飽和脂肪酸を多く含んでいるため、コレステロール値を下げたり、血液をサラサラにしてくれる効果が期待できます。
ということで、とかく「肝」だけに注目が集まりがちですが、「身肉、皮、ひれ、えら、卵巣、胃」のすべてを食べることができることから、肝も合わせて「あんこうの七つ道具」と呼ばれ、「あんこうは、無駄になるものが無い」という意味が込められています。
昔から、「東の鮟鱇」「西の河豚(ふぐ)」と称されるほど、冬の味覚の代表格です。
身肉は「高たんぱく低カロリー」、プルプルとした皮は「コラーゲンたっぷり」、ビタミンBもたくさん含まれていますから、「冬の肌荒れや口内炎の予防」にもOK!という逸品です。
「あんこう」は、「魚」に「安(やすらか)」と「康(すこやか)」を書いて「鮟鱇」です。
冬の夜長に「あんこう鍋」などを突きながら、「安らかで康やかな」良き新しい年が訪れることを願ってみてはいかがでしょう!!